ヤフオクをID登録のみで利用する場合にURLの届け出が必要かどうかについて書きます。
URLの届け出について古物営業法第5条1項6号に「取り扱う古物に関する事項を電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(=インターネット)により公衆の閲覧に供し、その取引の申込みを国家公安委員会規則で定める通信手段(=非対面の通信手段)により受ける方法を用いるかどうかの別に応じ、当該古物に関する事項に係る自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号その他の符号」を申請書に記載しなければならないと書かれています。
簡単に言い換えると「インターネットを介して非対面で古物の売買の申し込みを受ける場合はそれを行なうページのURLを届け出なければならない」ということです。
しかしこの内容からはどのような種類のURL(ホーム画面のURLなのか商品ごとのURLなのか 等)であれば届け出なければならないかまでは読み取ることができません。
どのような種類のURLを届け出なければならないかについては警察庁の通達(警察庁丙生企発第56号平成15年8月4日)に次のように書かれています。
①「個々の情報ごとに無作為にURLが割り当てられ、古物商が一定のURLを反復
継続して用いることができないインターネット上の掲示板に、古物取引に関する情報を掲載する場合も、URLの届出対象とはならない。」
②「(「競り売りの届け出」について)古物商がインターネット・オークションに出品して競り売りを行なう場合には、競り売りの届け出は必要ないこととされた。これは、古物競りあっせん業者からは、別途そのURL等の届出を受けることとされているので、古物商から重ねてURL等の届け出を受けなくとも、インターネットオークションに出品されている古物を把握し、盗品等に相当するものがあるかどうかを確認することが可能であるからである。(古物営業法第10条第3項中「古物競りあっせん業者が行なうあっせんを受けて」はインターネットオークションに出品することを指す。)」
①について具体的に言い換えると、出品物ごとにURLが割り当てられ、売れた後はそのURLを古物商が継続して利用することができないような場合のことを指しています。
ヤフオクをID登録のみで利用する場合も、出品すると商品ごとにURLが割り当てられますが、競り落とされるとそのURLはその他の出品には利用できなくなります。
そのため数年前までヤフオクのID登録のみの場合は届け出が不要であるという見解を警視庁(東京都の場合)でも持っていました。
またヤフオクに問い合わせてもヤフオクのID登録のみの場合は届け出が不要であるという回答が今でも返ってきます。(2021/7月現在)
②は「URLの届け出」ではなく「競り売りの届け出」について書かれていますが担当の警察官によっては「URLの届け出」と「競り売りの届け出」を混同され、ヤフオクで販売を行なう場合はURLの届け出は必要ではないという見解をお持ちの方もいらっしゃいます。
しかし、問題となっているのは「競り売りの届け出」ではなく「URLの届け出」であり、ヤフオクのID登録のみの場合であっても登録者の出品商品の一覧画面(出品リスト画面)に「https://auctions.yahoo.co.jp/seller/ID」のような継続的に利用可能なURLが割り当てられています。
それを数年前に当事務所から警視庁の古物営業の担当者に伝えたところ、確認に1週間ほど要した後に、ヤフオクのID登録のみの場合は届け出不要というそれまでの見解から「反復継続して利用可能なURLが割り当てられるのであればヤフオクのID登録のみの利用であってもURLの届け出は必要である」という見解に変りました。
以上からヤフオクのID登録のみであっても出品リスト画面のURLの届け出が必要であるという結論が導き出されます。